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その他 2016年07月20日
<その1>
腫瘍マーカーというと、血液検査で癌が発見できると考えがちですが、消化器領域では、早期診断に関しては過大な期待はしないほうが良いでしょう。
一般に、腫瘍マーカーは、癌の診断の補助けや進行度の評価、治療効果の判定や再発の有無など癌の経過観察に使われます。
最も代表的な腫瘍マーカーはCEAでしょう。
大腸癌のマーカーとして登場しましたが、膵癌など他の消化器系の癌や、肺癌や泌尿器系の癌などさまざまな癌で上昇することがあります。
早期癌や進行度の低い癌での陽性率は低いので、癌のスクリーニングには向きません。
正常上限の2倍くらいまでの軽度上昇は、消化器系・呼吸器系などの良性疾患による場合がありますが、高齢者や喫煙者などでも見られます。
また逆に高度に上昇している場合はリンパ節や肝臓など他臓器転移を疑う所見といえます。
<その2>
腫瘍マーカーに関して、肝臓癌の場合は多少事情が異なります。
肝臓癌は、ほとんどが肝細胞癌ですので、肝細胞癌に限ると、90%以上が肝硬変や慢性肝炎など慢性肝疾患に伴って発生します、逆にC型肝硬変の場合は、最終的に70~80%が発癌するなど、肝細胞癌ができやすい高危険群が設定できるからです。
肝細胞癌の早期発見のためには、高危険群に対するきめ細かな検査が必要です。
超音波検査など画像診断を中心に、腫瘍マーカーも補助的に測定されます。肝細胞癌の腫瘍マーカーの代表は、α-fetoprotein(AFP)とPIVKA-2で、いずれも肝細胞の約6割で陽性になりますが、小肝細胞癌では、陽性率は高くありません。
しかし互いに相補的な関係で、片方のみ陽性になることがありますので併用が有用です。
ただし、保険診療では、同時に測定できないので、交互に測定します。
<その3>
α-fetoprotein(AFP)は肝細胞癌の腫瘍マーカーの代表として、慢性肝疾患の経過観察で広く用いられていますが、いくつかの留意すべき点があります。
癌が小さな場合の陽性率は必ずしも高くないので、早期診断には限界があります。
また肝細胞癌以外の良性の肝疾患でも陽性になることが多いことです。慢性肝炎や肝硬変では20%前後で陽性になります。
その他急性肝炎や劇症肝炎などでも上昇するなど、肝の炎症や再生を反映しているようです。
肝細胞癌でAFPが上昇している場合は、AFPの中でもAFP糖鎖がフコシル化している割合が多いことが判っており、この分画はAFP-L3分画として、測定可能になっています。
慢性肝疾患でAFPが軽度に増加している場合は、上昇が続くのか経過観察が重要です。
また、AFP-L3分画測定や画像診断を繰り返すことも有用でしょう。
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