| 胆石症(1)
肝臓で作られた胆汁は、肝内胆管・総胆管を通って十二指腸に注ぎます。胆のうは、胆管の途中にある袋状の構造で、胆汁を蓄えます、脂肪分の多いものを食べると収縮し、胆汁を排出して、脂肪の消化に関ります。胆汁の流れる経路に石ができる状態が胆石症です。胆石の部位により、肝内胆石・胆のう胆石・胆管胆石となりますが、もちろん代表的なものは胆のう胆石です。またその成分により、胆石はコレステロール系胆石と色素系胆石に分類されます。コレステロールは、元来水に溶けにくいのですが、胆汁中では胆汁酸・レシチンとバランスをとって溶けています。しかし肥満や不適切な食生活などでバランスがくずれると、コレステロールが溶けきれなくなり、石ができると考えられます。色素系胆石は黒色石とビリルビン石が主なもので、肝疾患や溶血、感染などが原因となることもあります。
胆石症(2)
胆のう胆石は集団検診では約5%で発見されています。ことに肥満傾向の中年女性に多いようです。胆のう胆石があっても、必ずしも痛みがあるわけではありません。無症状の場合でも、10年間でおよそ20%程度に症状が現われると推定されます。痛みがないといっても、右肩が張ったり、凝りやすいなどの症状がある場合が少なくありません。胆のう胆石は、胆石発作や急性胆のう炎を引き起こす以外に、胆のうがんの患者さんの約半数は胆石を持っているなど、胆のうがんとの関係が指摘されています。典型的胆石発作は、特に脂肪分に富んだ食事の後などに、右上腹部に強い痛みを生じるものです。通常は、直に軽快しますが、急性胆のう炎を併発すると重症化します。また胆のう胆石が胆管に落ちたり、あるいは胆石が胆管を圧迫して、胆汁の流れが悪くなり、黄疸や胆管炎を起こすことがあります。
胆石症(3)
胆のう胆石の場合、たびたび疼痛発作を起こす場合は、手術を勧めます。腹腔鏡下胆嚢摘出術が標準になりましたので、切開創も小さく、入院期間も短くなりました。無症状胆石の場合は個々で判断します。将来発作を起こす確率は、10年間でおよそ20%程度と推定されますので、早いうちに治療をしようという場合も、症状が出るまでは治療せずに、経過観察にとどめようという場合もあります。超音波検査やCT検査で石灰化の乏しいコレステロール系の胆石と診断され、なおかつ胆のう機能が正常な場合は、溶解療法が有効です。衝撃波で胆石を破砕(ESWL)してから、行う場合と単独で行う場合があります。溶解療法は胆汁の成分のバランスを変化させて、胆石中のコレステロールを溶かし込む治療ですので、治療に時間を要しますから根気よく薬を飲み続ける必要があります。
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