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コラム
肝細胞癌(1)
肝細胞癌にはいくつかの特徴があり、治療法の選択に影響します。第一に肝硬変など、もともと障害のある肝臓に発生するということです。癌を治療すれば、非癌部肝組織にもダメージを与えますから、治療に際しては肝予備能を十分考慮する必要があります。また障害肝自体が前癌状態と考えられますから、治療後も再発ないし、あらたな発癌(多中心性発癌)の可能性が絶えず付きまとうということです。通常肝組織は門脈血と動脈血の2系統の血流が栄養していますが、肝細胞癌は動脈血のみから栄養されています。慢性肝疾患のうちに計画的に経過観察されてば、小さな段階で肝細胞癌が発見されることが多く、特に、小さな肝細胞癌に対しては、手術療法とともにエタノール注入療法をはじめとする局所療法が開発され、広く施行されています。
肝細胞癌(2)
肝細胞癌が小さければ、手術療法やエタノール注入療法などの局所療法で完全壊死が可能です。一方、腫瘍径が大きい場合でも、肝機能が良く癌が限局していれば、手術や放射線療法などにより、完全壊死を得ることができます。しかし、肝細胞癌は進行すると、しばしば肝内に多発します。このような場合は画像診断で認識できない小病変が多発している可能性が高く、完全制御は困難になります。多発病変の場合は経カテーテル治療が有用です。非癌部肝組織は動脈血と門脈血が流入していますが、癌組織は動脈血のみが流入しています。そこで、カテーテルを肝動脈に挿入し、抗がん剤を含んだ塞栓物質を注入し動脈を閉塞することにより、非癌部には門脈からの血流が残りますが、癌部は血流が完全に遮断されるために壊死に陥るという、兵糧攻めの治療法です。
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