渡辺内科・消化器科医院
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コラム

超音波検査と肝細胞癌(1)
かつては、肝細胞癌の診断は非常に困難でしたが、超音波診断装置(US)の発達が、肝細胞癌の診療を一変させました。USで肝内に小病変が発見されるようになり、更にUS映像下にその組織を採取し、組織検査もできるようになりました。しかし、当初は小さな肝細胞癌の病理診断基準は確立されていないため、癌の診断はできませんでした。結局、ある病変が増大したり、明らかな肝癌に進展する場合、その病変は癌であったと判断されるわけで、このような症例の積み重ねで、小さな肝細胞癌を組織学的に診断できるようになりました。また、USは治療にも応用されるようになりました。エタノール注入療法は我が国で開発された治療法で、現在では小肝細胞癌治療の一つの柱になっています。このように、USは肝細胞癌の発見・診断から治療にいたるまで、深く関わっています。

超音波検査と肝細胞癌(2)
何らかの理由により治療が行われなかった小肝細胞癌を経過観察することにより、小肝細胞癌の自然経過が研究されました。その結果、肝細胞癌の発育速度がわかりました。一方、肝細胞癌は直径2cmをこえると、周囲や脈管への浸潤傾向も高くなるため、確実に治療を行うためには2cm以下で発見すること必要となります。肝細胞癌の発育速度の検討により、発育の速い肝細胞癌を含めて2cm以下の段階で発見するためには、3ヶ月毎に熟練した者が超音波検査を行うことが必要であるとわかりました。慢性肝炎など肝硬変と比べて発癌率が低い場合は、半年ないし一年毎の超音波検査で良いとする立場もあります。しかし、癌ができたとしても、確実な治療ができる大きさのうちに発見するという立場でいうなら、やはり3ヶ月毎に超音波検査を行うべきでしょう。


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