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コラム
軽い肝機能障害の場合(1)
健康診断や人間ドックで異常を指摘されることが多いGPT100前後までの上昇を軽度肝機能障害と考えてください。この場合脂肪肝と慢性肝炎の鑑別が問題となります。頻度が多いのは脂肪肝です。脂肪肝自体は、アルコール性を除き進行することはありませんが、脂質代謝の異常を示していますので、原因を調べて治療する必要があります。脂肪肝か否かは、超音波検査で知ることができます。脂肪肝が否定された場合は、慢性肝炎を考える必要があります。慢性肝炎はC型(HCV)やB型肝炎ウィルス(HBV)によるものがほとんどで、これらは進行して肝硬変になったり、肝細胞癌を併発することが多く、専門的な診療が必要となります。ウィルス感染の有無はHCV抗体やHCV核酸検査・HBs抗原を調べることで判定します。ただし慢性肝炎に脂肪肝が合併することもあり、やっかいです。
軽い肝機能障害の場合(2)
脂肪肝とウィルス性慢性肝炎以外の軽い肝機能障害について考えてみます。飲酒の多い場合はアルコール性肝障害が疑われます。軽度の場合は脂肪肝にとどまりますが、肝線維症さらには肝硬変に進行することもあります。薬物を服用している場合は第一に薬剤性肝障害が疑われます。
女性の場合、特にγ―グロブリンや膠質反応が高い場合、自己免疫性肝障害の可能性があります。これには肝炎が主体である自己免疫性肝炎と中年女性に好発する肝内の細い胆管の障害である原発性胆汁性肝硬変があります。
ALPやγ―GTPなどの胆道系酵素の上昇を伴う場合、上記の薬剤性肝障害や原発性胆汁性肝硬変以外に胆道系疾患の可能性があります。特に膵頭部癌や十二指腸乳頭部癌、胆管癌などの悪性疾患や腫瘤形成性慢性膵炎は胆管を圧迫し胆汁うっ滞を引き起こすので肝障害の原因となります。
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